プレゼン観衆の心をわし掴みできるプレゼンには、共通点がありました(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 皆さんこんにちは、澤です。

 実は今、この原稿を岡山のホテルで書いています。岡山を訪れたのは「Talk Your Will」というピッチイベントに参加するためです。こちらは、ベストセラー『1分で話せ』の著者である伊藤羊一さんが主催するイベントで、すでに6回の開催実績があり、私はそのうちの4回にコメンテーターとして参加しています。

 毎回、20人から30人の一般公募の方々が、それぞれの「譲れない思い」を1分に凝縮して、話してくれます。普段、プレゼンとは全く無縁の方も多く参加していて、非常にバラエティーに富んだイベントです。自分の仕事の話をする人、過去のトラウマを開示する人、夢を語る人、実にさまざまです。

 いずれにせよ、1分という時間制限の中でどうにか言葉を紡ごうとがんばっている姿が、とてもすてきでした。こういうイベントでは、うまい・下手よりも、パッション(情熱)があるかどうかで印象が決まります。

 特に、まとめて数十人のピッチ(短いプレゼンテーション)を見てコメントをする立場ですと、最初の10秒から20秒くらいで大体の印象が固まります。その冒頭の時間でいかにパッションを表現するかが非常に大事です。

 今回のイベントでは、いわゆる順位付けはしませんでしたが、賞を提供する立場でもあったので、かなり真剣にそれぞれのピッチを拝見しました。そこで今回は、このイベントを通じて改めて考えた、心を動かすプレゼンの極意をお伝えしたいと思います。

手元のメモや資料に
振り回されていないか

 資料を映しながら、あるいは手元のメモを見ながら話すプレゼンテーションでよく見られるのが、「資料やメモに振り回される」状態です。

「資料に書いたんだから読まなくちゃ」「メモと違う順番で話しちゃった」などと焦り、準備した資料に自分のペースを乱される人が少なからずいらっしゃいます。