今年3月、インターネット生保初の上場を果たしたライフネット生命保険。年間保険料収入40兆円超という生保市場ではニッチな存在だが、成長を持続させ「微々たる存在」から脱皮なるか。
5月18日で開業から4周年を迎えたライフネット生命保険。保有契約件数は右肩上がりを続け、2012年3月末の時点で11万8040件に達した(図1)。
08年4月というほぼ同時期に開業したもう一つのインターネット生命保険会社、ネクスティア生命保険の保有契約件数4万4372件(11年12月末)に大きく水をあけ、開業当初に掲げていた5年内の目標保有契約件数15万件の達成もほぼ射程内に収めた格好だ。
実は開業時、この目標に対し、業界からは冷ややかな視線を送られていた。
「ネットで生命保険が売れるはずがない」──。
従来、生命保険は、営業職員によるニード喚起(潜在的な需要を売り手側が掘り起こすこと)をしなければ売れないというのが、業界の常識だったからだ。
ライフネット生命が保有契約件数を伸ばす最大の理由。それは「ネット生保の強みは、価格の安さにしかない」という国内大手生保幹部の言葉に集約されている。
例えば、30歳男性の定期死亡保険(死亡保険金額3000万円、保険期間10年、単品、標準体)という条件で、月額保険料を比較すると、ライフネット生命は3484円。一方、国内大手生保は軒並み7000円前後と倍ほどの開きがある。