投資で失敗してしまうケースの多くが「勧められてしまい、断れなくなった」「有利な商品だからと勧められ、内容もわからずに購入を決めた」というもの。つまり、銀行の窓口などで勧められたから、もしくは、勧められた商品がなんとなくよさそうに見えて、複雑な商品の仕組みをわからずに買ってしまうということが多いようです。
今回は、人気FPである深田晶恵さんに現在、銀行が積極的に売っている「生命保険」のカラクリをやさしく教えてもらいました。その中身を知って、失敗を上手く避けましょう!
今や、銀行で売っている商品は
「元本保証」ばかりではない
みなさんは、銀行に口座を持っていますよね。給与振込などのメインバンクのほかに2つ、3つの口座を持っている、という方も多いかもしれません。
それほど身近な金融機関なのですが、この銀行が、最近、劇的に変わってきています。それは、「元本保証」以外のものも取り扱うようになっている、ということです。
銀行では、2001年から保険の販売が一部で解禁され、2007年には全面解禁になりました。いまや、どこの銀行でも「保険」が売られています。
この保険商品の中で、銀行で力を入れて販売しているのが、保険料を最初にまとめて払いこんでしまう「一時払い終身保険」です。
「一時払い(いちじばらい)終身保険」とは、どんなものかご存じですか?
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これは生命保険の種類を表しているもので、商品名ではありません。少し説明をします。
読者の皆さんの多くは、保険は毎月いくら、というように月々決められた額を払っていると思います。しかし、中にはまとめて半年払いとか、年払いという人もいるかもしれません。それと同じイメージで、加入するときに全部の契約期間の保険料をまとめて払ってしまうのが「一時払い(いちじばらい)」です。
そして終身保険というのは、「終身」という文字通り、加入してから死亡するまで保障が続く商品です。10年満期とか20年満期といった満期はなく、保障はずっと継続していて、死亡したらその時点で遺族にお金が支払われます。
つまりこの保険は「最初にお金をまとめて払って、亡くなったときに遺族にお金が支払われる」というもの。
そしてこの保険が必要なのは、通常、保険に入る人が亡くなって経済的に困る人がいるとき。さらに言えば大きな死亡保障額が必要な時期は「子どもが社会人になるまでの間」です。子どもが自分で稼ぐようになるまでは、養っていくお金が必要だからです。
つまり、本来は貯蓄性商品ではない終身保険を「預金代わりに」と販売すること自体、おかしいのです。