今回は、岩瀬のパートナーであり人生の先輩でもある、ライフネット生命保険株式会社の会長・出口治明。 先日東証マザーズに上場したライフネット生命の柱となるような経験を入社1年目にしているようですが、果たして…。
(一部肩書きは取材時のものです)
・杉村太蔵氏<前編><後編>
・グリー株式会社 代表取締役社長 田中良和氏 <前編><後編>
・人気ブロガー 藤沢数希氏
エッセイ「入社1年目の教科書」はこちらから
https://diamond.jp/category/s-nyuusya1nen
代表取締役会長
出口治明氏
会社設立の柱となった
入社1年目に学んだこと
岩瀬 インタビューということで、今日はかしこまってお話を伺います。
だいぶ昔のことかもしれませんが、入社1年目の仕事はどういうものでしたか。
出口 私は1972年に日本生命に入社して、京都支社の「第二奉仕係」というところに配属されました。 主な業務は毎月、お客様から頂く保険料の収納。 当時は機械化が進んでいなかったので、支社では、紙の台帳を使って、お客様のデータを全部管理していました。
岩瀬 当時は銀行口座振替とかなかったんですよね。
出口 そうそう、なのでセールスマンが集めたキャッシュ、現金の管理も大事な仕事でしたよ。 あとは、住所変更や保険料収納手続きを勉強していました。第二奉仕係は18人くらいいて、係長を含めて全員女性。
岩瀬 となると…。
出口 男性は僕一人でした。
岩瀬 そこで何を学びましたか。
出口 保険会社というのは保険料を毎月頂いて、保険契約を維持して、ちゃんと保険金をお支払いしてはじめて業務が完了するのだ、という当たり前だけど大切なことを学びました。
保険会社というのは新契約を取る部門が一番かっこよく見える。けれど、それはちゃんとした事務システムがあってはじめてそういうことができるのだということを、身をもって学んだわけです。それが保険会社の心臓部分であるということがよく分かった気がするし、その考えがライフネット生命を作っていく上でも柱になっています。
岩瀬 なんと入社1年目に学んだ「当たり前だけれど大切なこと」が、今の会社づくりの柱だったのですね。
出口 思い返すとそうですね。