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 【北京】エネルギーみなぎる中国のテクノロジー業界は世界に名だたる上場企業やユニコーン(評価額10億ドル以上の未上場企業)を輩出してきたが、ここにきて風向きが変わり、減速を経験している。

 米中貿易摩擦さなかの景気減速は従業員の解雇や賞与の削減を引き起こし、新興勢力の隆盛を支えてきたベンチャー資金の調達環境も厳しくなっている。

 すでに一定の地位を築いた大手テクノロジー企業にとっては、まだメルトダウンと言える状況には至っていない。一方、10年前には存在すらしていなかったようなセクターの新興企業や中小企業の多くにとって、今回は過去最悪の状況だ。投資家や起業家やメディアはそれを、中国インターネットの「凍(い)てつく冬」と呼ぶ。

 自転車シェアサービス大手の北京摩拝単車科技(モバイク)と、テンセントホールディングスが投資する動画ストリーミングサイトの斗魚は人員を削減した。ショート動画アプリ「TikTok」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)では、春節の前に会社が従業員に支給する「お年玉」が少なくなった。 

 「2019年、外部環境は一段と厳しく、困難かつ波乱に満ちたものになるだろう。我々が直面する課題は極めて大きい」。バイトダンス創業者の張一鳴氏は先週、従業員に向けてこう語った。

 中国テクノロジー業界ではこうした引き締めは新しい動きだ。業界は近年、好況や潤沢な資本、政府の後押しを背景に破竹の勢いを見せていた。事業登録の規則が緩和され、研究者の起業が奨励されたことなどもあり、新興企業は急増した。スマートフォン経由のコーヒー注文を扱う新興企業は7カ月でユニコーンになった。