◇危機対応が後手に回り万策尽きる

 リーマン・ショック、東日本大震災、デフレ経済。これらは倒産の理由としてよくあげられる。だが、本質的に企業の明暗を分けるのは、「変化」に対応するスピード感のわずかな差だといってよい。

 大手広告代理店などからイベントの企画制作、運営を受注していたキッズコーポレーション。同社は、展示会や企業の社員総会など、幅広いイベントを手がけてノウハウを蓄積。2005年には日本国際博覧会(愛・地球博)の日本館企画制作、運営に携わるまでに成長していた。

 ところが、2008年のリーマン・ショックで国内景気が冷え込んだことに伴い、翌年から仕事が減少し始めた。社長らはこの影響は徐々に薄らぐと判断した。よって、てこ入れに踏み切る時期が遅れた。さらに2011年には、東日本大震災が起こり、イベントを中止する企業が続出。成果主義の賃金体系にしていた従業員の給与水準が下がったことに伴い、人材流出が起きた。こうしたことが業績悪化につながり、取引先への支払いが遅延し始めた。経営状態が厳しいという話が業界内に広まり、信用不安は拡大する一方。新規案件の受注やファクタリング会社の利用、経費の削減など、再建に向けた努力はしていた。しかし、いずれも対応が後手に回り、結果的に裏目に出てしまった。

◆リスク管理の甘さが命取りに
◇売れてもキャッシュが残らない

 売れることと手元に資金が残ることは別の話である。資金繰りの失敗で倒産に至るケースもよく見られる。

 造船、鉄道、原子力発電向けの大型工作機械メーカーのホンマ・マシナリー。同社は、技術力を武器に、大型工作機械の分野で大きな売上を上げていた。しかし、バブルの崩壊とともに、受注が減少していった。2005年には会社再建のために「おおさか中小企業再生ファンド」に支援を申請。ここで得た資金をもとに、生産管理の強化やコスト改革を図った。