インフルエンザが、過去最悪レベルの猛威を振るっています。年度末に入り、受験シーズン真っ最中でもあるこの時期、インフルエンザどころか風邪も絶対ひきたくない人が多いでしょう。

そこで本記事では、『ヒルナンデス!』『世界一受けたい授業』などのテレビ番組で紹介され話題を呼び、大重版が決まった書籍『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』から、インフルエンザ予防効果の高い「マスクの着用法」をご紹介します。(構成:今野良介)

1回のくしゃみで「しぶき」はこんなに飛んでいる

インフルエンザの主要な感染経路は「飛沫感染」だと言われます。

飛沫感染とは、病原体を含んだ患者のせきやくしゃみなどで飛散した体液の粒子を吸い込んだりして、他人の粘膜に付着することで感染することです。

そこでまず、厚生労働省が発表しているYouTube動画をご覧ください。1分で観れます。(https://www.youtube.com/watch?v=9Mkb4TMT_Cc)

(※上記リンクが見られない場合、「マスク着用の重要性」でYouTube検索をかけてみてください)

 

1回のくしゃみで出る「しぶき」はどれくらい飛ぶのかが、視覚的にわかると思います。

インフルエンザの患者によって放出されるウイルス量は、1回のせきで約10万個、1回のくしゃみで約200万個というデータもあります。

厚生労働省の動画にある通り、しぶきが「2メートル」飛ぶとすれば、たとえば満員電車や職場内で目の前にいる罹患者がせきやくしゃみをすれば、明らかに自分の顔にしぶきが届き、ウイルスのシャワーをまともに浴びてしまう距離です。

くしゃみの「しぶき」は2メートル飛ぶ。インフル予防のマスク着用3原則思った以上にしぶきは飛ぶ。

まず、あなた自身のせきやくしゃみによるウイルスの飛散をできるだけ防ぐために、マスク、ハンカチやティッシュ、上着のヒジの裏側などで、しぶきが飛ぶのを抑えるようにしましょう。

そして、感染を防ぐための方法としては、誰もがすぐに思いつく方法が「マスクをすること」ではないでしょうか。

しかし、「正しいマスクの着け方」を知っている人は、案外少ないようです。

市販の使い捨てマスクを1日で使い切る

どうしてもインフルエンザにかかりたくない人が少しでも感染リスクを減らすために、マスク使用に関して厳守すべき3つのポイントをお伝えします。

[1]ワイヤー型のマスクで鼻と頬の隙間をなくす
[2]こまめに捨てて、取り替える
[3]マスクの表面を絶対に触らない

 

順番に説明します。

 

[1]ワイヤー型のマスクで鼻と頬の隙間をなくす

まず、マスクの機能を発揮するためには、フィット感が生命線です。

サイズや形状が合っていなかったり、顔とマスクの間に隙間があると、フィルターを通さずに病原菌が入ってくるため、ウイルスを遮断できなくなります。

街中で、鼻を出したままマスクを着用している人を見かけますが、論外です。ワイヤー型のマスクで鼻や頬との隙間を埋め、必ず顔に密着させてください。

 

[2]こまめに捨てて、取り替える

薬局やコンビニエンスストアで、5~7枚くらい入った使い捨てマスクを買って使用する場合、1セットを1日で使い切るくらいの頻度で、マスクを交換してください。

密室で会議をしたあと。
風邪をひいている人と話したあと。
満員電車やバスに乗って、目的地にたどり着いたあと。
病院やクリニックなど「医療機関」に行ったあと。

感染リスクの高い場所を通過するたびに、取り替えてください。もったいないと思うかもしれませんが、風邪をひく損失を考えれば安いものです。

 

[3]マスクの表面を絶対に触らない

さらに、着用したマスクの取り外し方によっても、感染リスクが左右されます。

マスク表面にウイルスが付着していると、マスクの表面を触りながら取り外したあと、そのまま自分の顔を触ってウイルスを吸入する可能性が高まります。

マスクを取り外すときは、耳ヒモの部分を持つようにしてください。さらに、手洗いを済ませたあとで、新しいマスクを着用しましょう。

「ウイルス○%カット」の表記に注意

コンビニなどで売られている市販のマスクには、規格の公的な基準がありません。

たしかに、業界団体の中に「フィルター部分がどれくらいウイルスを通すか」などを示す数値表示や、広告についての「自主基準」はあります。

しかし、国民生活センターの調査では、その広告表示と実際の機能に乖離がある製品が多数指摘されています。ある調査によれば、最も漏れが少なかった立体型の銘柄でも、平均で40%程度の病原菌の漏れがあったという報告もあります。また、マスクの性能と価格は比例しないことを示した研究もあります。

つまり、マスクは、「どれを選ぶか」よりも、「どう使うか」が重要なのです。

『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』では、このほか、日常生活の中で風邪・インフルエンザリスクを激減させる具体策を詳しく紹介しています。

仕事を休めないビジネスパーソンはもちろん、結婚式や旅行など重要なイベントを控えた方、受験生やその家族、妊娠中の方などは、ぜひ本書の内容を実践し、肉眼で見えない風邪ウイルスと戦う正しい方法を身につけてください。

(参考記事)
『トイレの「ハンドドライヤー」を使ってはいけない』