電子タバコPhoto:PIXTA

 電子たばこの市場拡大は、二つの全く異なるレンズを通して眺められている。

 一つめの側面は、以下のようなものだ。10代の若者による電子たばこの使用急拡大は、電子たばこそのものが健康被害をもたらすほか、結果的に若者の通常の喫煙へとつながる恐れがあるという理由から、多くの人々は警戒感を抱いている。

 しかしその一方で、すでに喫煙者となっている者の禁煙努力を助け、従来型のたばこがもたらす恐れのある多くの、そして死に至ることもある病気を防ぐ上で、電子たばこが重要な道具になると考える者もいる。

 この双方向の議論は、さまざまな研究によってさらに強められている。先月末以降だけでも、以下のような研究成果が報告されている。ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に掲載されたある研究報告は、電子たばこによる禁煙支援の効果が、ニコチン置換療法のための他の製品と比べてはるかに大きいと結論付けている。一方、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)に掲載された別の研究報告は、電子たばこを経験した10代の若者は、そうでない者と比べ、従来型のたばこの喫煙者となる可能性がはるかに高いと結論している。

 ニューヨーク大学グローバル公衆衛生学部で社会行動科学の教授を務めるデービッド・エーブラムズ氏は、電子たばこについて、10代の若者による利用を抑制する必要があるとしながらも、電子たばこが禁煙を支援する上での有用性を強調する。キャンペーン・フォー・タバコフリー・キッズ代表のマシュー・L・マイヤーズ氏は、逆の立場であり、電子タバコの若者への害は明白であり、電子タバコの有用性は依然証明されていないと主張する。