郭議員は「ちまたでは、夫が通っていた企業に政府が200億ウォン(約20億円)を支援し、うち30億ウォンが不当に支出されたとうわさされている」「資産の差し押さえを防ぐため大急ぎで贈与し、処分したといったさまざまな推測がある」と指摘している。

 この件に関し、これまで大統領府は公式にはコメントしていない。ただ非公式には、「大統領の娘とはいえ移住することに法的な問題はない」「海外移住したのは、ダヘさん家族が経済的に厳しい状況にあり、ダヘさんの夫の働き口を探すためだった」「大統領の直系家族が経済的問題を自ら解決するために海外移住したのは、それだけ現政権がクリーンだということではないか」と言っているようだ。

 とはいえ、ダヘ氏の出国理由は不自然であり、レーダー照射事件がそうだったように訳が分からない。にもかかわらず大統領府は、暴露した郭議員の資料収集の違法性を問題にし、「責任を問う」といきり立っている。まるで、レーダー照射を偵察機の低空飛行にすり替えたときのよう。大統領府は言い訳ばかりせず、しっかりと説明責任を果たす必要があるのではないか。

大統領夫人を巻き込んだ
スキャンダルも持ち上がる

 大統領夫人を巻き込んだスキャンダルも持ち上がっている。「共に民主党」の孫恵園(ソン・ヘウォン)議員が「大統領夫人の同級生」を吹聴し、「全羅南道木浦旧市街地をエーゲ海の島のように」という触れ込みで始まった「木浦文化財通り」にまつわる利権をあさっていたとされているのだ。

「木浦文化財通り」は、孫議員の熱心なロビー活動によって文化財として登録された「螺鈿漆器博物館」を中心に、文化拠点を作るという構想で、政府予算500億ウォン。孫議員は、それが公示される直前から、自身の夫の財団及び補佐官、親戚などの名義で25件の不動産を購入していたとされる。

 スキャンダル発覚を受け、孫議員は1月20日に記者会見を行って離党を表明。大統領夫人に影響が及ぶのを防ぐためではないかと見られている。

 というのも、孫議員は1年生議員でありながら、国会文化体育観光委員会の与党幹事に大抜てきされたが、それには大統領夫人の後押しがあったのではないかといわれている。また、孫議員の離党会見には、「共に民主党」の洪永杓(ホン・ヨンピョ)院内代表が秘書のように付き添っていたと言われ、そこにも大統領夫人の影がちらつく。