昨年12月27日の朝鮮日報は、大統領府が政府系企業や各官庁の傘下機関の役員の政治的傾向を分析したいわゆる「ブラックリスト」を作成し、特別監察班を通じて監察を行ってきた疑惑が指摘されたと報じている。

 特別監察班は、公共機関300ヵ所の幹部のうち“親野党”性向のある100人を選び出して監察、大統領府上層部に報告していたという。これは、現政権関係者のためのポストを多数作ることが目的だったという。

 昨年、鉄道の脱線事故があった際、鉄道公社の社長が「寒さで線路に異常をきたしたことが脱線を招いた」と言い訳し、専門家の失笑を招いた。この社長はいわゆる政治活動家で、鉄道事業の素人だったという。その社長の初仕事は、組合運動で失職した人を復職させることであり、任命した鉄道公社と下部機関の役員の3分の2は政治活動家だそうだ。

 文政権は、政治活動家たちが甘い汁を吸う政権なのか。こんな政権で今後、大規模な事故や事件が発生すれば、大変な事態に陥る可能性も懸念される。

 思えば朴前政権時代に、政権に批判的と見られる芸能人や文化人ら9400人を掲載した「ブラックリスト」を作成したとして、当時の金淇春(キム・ギチュン)大統領秘書室長や趙允旋(チョ・ユソン)文化体育観光部長官が逮捕されており、それが大統領自身の指示によるものか注目を集めた。

 このように、政権が自分たちに反対する人々のリストを作り、不利益を与えるという歴史を繰り返していることが、韓国の歴代政権の不幸な末路を物語っているのかもしれない。

文政権たたきが
始まっている証拠か

 こうしたスキャンダル噴出の背景には、韓国国内で“文政権たたき”が既に始まっていることがあるのではないか。

 対北朝鮮政策は一見すると国民受けしているようだが、北朝鮮の実情を知る者にとっては極めて危険なものに映っているはずだ。また、韓国経済の急激な停滞、人件費高騰に伴う廃業や失業の増加が国民生活を直撃している。しかし、文在寅政権は一向にこれまでの政策の非を省みることなく、ますます殻に閉じこもり、政治活動家の意に沿った政策を遂行する傾向にある。