人生を大きく変える方法は、意外なほどシンプルだ。しかも、今日から今すぐ始められる。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』から、内容の一部を特別公開する。

毎日筋トレしてるのに「なぜか筋肉がつかない」という人のNG行動・ワースト1Photo: Adobe Stock

規則正しく筋トレをしているのに……

 63歳のキムはとても活動的な女性だった。数年間、糖質制限ダイエットを続け、ウェイトトレーニングも規則正しく行っていた。

 10年前に更年期を迎えてからは、ホルモン補充療法を始めた。朝食を抜いて昼まで断食し、その後は厳格な低炭水化物食を守っていた。

 それでもおなかに脂肪がつき始め、抜け毛が始まった。週に3回の筋トレを続けているのに筋肉をつけるのに苦労していた。

 キムは方法を見直す必要を感じて私のもとを訪れ、自分なりに作成したマクロ栄養素の摂取プランを見せてくれた。「このやり方で問題ないか、チェックしてください。美しく年を取りたいんです」

食事に問題があった

 詳しく点検すると、全体的な筋肉の健康状態は良好だったが、運動と食事のタンパク質バランスを微調整する必要があった。

 彼女が行っていた糖質制限ダイエットは、加齢による代謝変化に対応するには脂肪が多すぎ、タンパク質が少なすぎた。そのため、筋肉を成長させることができなかったのだ。

 断食をやめさせ、低炭水化物食を高タンパク質食に切り替えた。

 筋肉の減少を補うために、タンパク質を1日80グラム(体重1キロあたり約1.6グラム)まで増やした。サプリメントとして、クレアチン(脳と筋肉の健康向上)や分岐鎖アミノ酸(筋肉の合成促進)、そしてトレーニング直後や就寝前に摂取するホエイプロテイン・シェイク(筋肉の合成や回復促進)を追加した。

有酸素運度を減らし、筋肉を追い込む運動を増やした

 さらに、彼女はもうハードなトレーニングはしていなかったので、カロリーを追加することなくタンパク質の量を増やすために、必須アミノ酸ドリンクも追加した。

 トレーニング内容も見直した。有酸素運動を減らし、その時間を筋肉を限界まで追い込む運動に充てた。全身の筋力トレーニングを週2日、さらに上半身を鍛える日と下半身を鍛える日を別々に設けることで、効率的で満足感もあるトレーニングをすることができた。

 このようにして筋肉の減少傾向を止め、筋肉量を徐々に増やすことができた。

 この新しいプログラムを始めてから最初の1か月で、キムは約1.4キロの筋肉を増やすことができた。その後も2か月ごとに約0.2キロずつ筋肉を増やすことができ、全身の筋力も向上した。

 断食をやめ、脂肪の摂取を減らし、適切なサプリメントを追加し、タンパク質を意識的に摂取しながらトレーニングの内容を調整することで、キムは問題を克服し、驚くべき改善を成し遂げたのである。

(本記事は、ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からの抜粋です)

ガブリエル・ライオン(Dr. Gabrielle Lyon)
医師(DO)
イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。