昨年9月のある土曜の夜、マリブの豪邸にセレブやシリコンバレーの大物、ハリウッドの幹部らが集まった。テレビプロデューサーのマーク・バーネット氏が、ベンチャーキャピタリストのビビ・ネボ氏の誕生パーティーを開いたのだ。その中でも最大の富を有していたのが、約1250億ドル(約13兆7900億円)相当のアマゾン・ドット・コム株を持つ同社の創業者ジェフ・ベゾス氏だった。注目されることを楽しんでいたようだったとパーティーに出席した同氏の知人は語った。ベゾス氏はこうした派手なパーティーに参加するタイプだとは思われていなかった。むしろ、夕食後には皿を洗い、幸せな家庭生活を送り、倹約を重んじ、少し仕事オタクの地味な富豪という印象を20年以上かけて作り上げていた。しかし最近では、アマゾンがエンターテインメントの世界に進出するにつれて違った側面も見せ始めていた。パパラッチに写真を撮られたり、映画スターらと公の場に現れたりするようになり、ハリウッド女優と親しくなった。