『週刊ダイヤモンド』2月23日号の第2特集は「泥沼日韓 20の大疑問!」です。いま、日韓関係が危機に瀕しています。2018年秋から元徴用工への賠償をめぐる裁判や慰安婦問題、レーダー照射問題などが次々と浮上し、政府間の感情的な対立にまで発展しています。なぜ、日韓関係はこれほどまでに悪化したのでしょうか。そこで、日韓関係において止めどなく出てくる「なぜ」を20に集約。ここではその中でも、日本国民が最も気になる疑問4つを解き明かします。(本記事は特集からの抜粋です)
【疑問1】なぜ一度合意したことを蒸し返すの?
韓国では、「正義があれば法律は変えるべきだという観念が強い」(申カク秀・元駐日大使、カクの文字は王へんに玉)。これが、韓国が平気でちゃぶ台返しをする最大の理由だ。
韓国の司法は元徴用工への補償について、1965年の日韓基本条約で解決しているにもかかわらず、日本企業に損害賠償を命じた。さらに2015年に「最終的かつ不可逆的」に解決した日韓慰安婦合意の見直しを行った。まさに合意をほごにするような行為だが、これは政権交代で「正義」が大きく変わったからだ。
現在の「正義」は、日韓基本条約や日韓慰安婦合意は、保守の朴正煕(パク・チョンヒ)政権と朴槿恵(パク・クネ)政権が、日本から謝罪や補償を十分に得られないまま結んだものだから、修正するべきだというもの。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、それで日韓関係が悪くなったとしても、正義は優先されるべきものと捉えている。
ちなみに、ちゃぶ台返しは韓国だけがするわけではない。米国も政権交代で多くの国際的な枠組みや前提をひっくり返している。