そして、急成長した企業や業界は税務調査の対象として絞り込むのだが、前述の先輩デスクによると「まとまった金が入ると、“税金を納めたくなくなる心理”が働くそうだ。だから、急激に売り上げを伸ばした会社は確実に税務調査の対象になるから、むしろキチンと納税した方が身のためだろうな」と笑っていた。

 出演したメディアに『年収12億円』などとと語り、メディアハーツは16年9月期の売り上げが約18億円に対し、17年9月期は約121億円。これで税務調査の対象にならないはずがない。通常の税務調査で所得隠しが見つかり査察に切り替わったか、最初から査察部が強制調査の対象としたのかは不明だが、ターゲットにされたのは当然の成り行きだったと言える。

 前述の通り、筆者は記者時代、脱税事件を手掛けたことはなく、贈収賄や選挙違反、談合事件などが主戦場だった。

 数十年前、政治家秘書と建設会社を仲介する、永田町界隈でも有名な地方のブローカーに聞いた言葉を覚えている。当時は意味を理解できなかったが、事件担当デスクとして国税当局幹部の何人かとお付き合いをさせていただいた今は、その意味が少し分かる。

 「(警察の)捜査2課や検察に聴取を受けても、知らぬ存ぜぬを決め込む自信はあった。しかしマルサは怖い。証拠(決算書類)と理詰め(税法)で攻められるから、ダンマリは効かないし、下手なことも言えない」

 百戦錬磨のブローカーが震え上がるマルサにロックオンされた三崎容疑者。逃げ切れる可能性は極めて低いだろう。