KiBERAの福谷智之氏福谷智之(ふくたに・ともゆき)/大学卒業後、野村證券へ入社。資産運用の営業マンとしてファーストリテイリングの上場を担当。その後、同社の柳井正社長(元会長)から誘いを受け転職。2014年に独立し、オーダーシューズブランド「KiBERA(キビラ)」を始める。現在国内に11店舗を展開中 Photo by K.Y.

 この価格を可能にしているのが、店舗の小規模化による賃料の削減と、効率的なオペレーションによる人件費の削減だ。キビラの売り場面積は、小さな店舗で10坪程度の広さしかない。オーダーメードのため、一般的な靴小売店のように広いバックルームに在庫を置く必要がなく、店頭にはサンプルを並べるだけでいい。

「靴は服のように折りたたむことができませんから、一般的な靴屋ではバックルームに在庫の箱が山積みになっています。百貨店の靴売り場でも、店員は1日に何度もバックルームと売り場を往復し、山積みの靴箱の中からお客様の目当ての靴を探すんです。でも、これって時間は取られるのに1円の売り上げにもならないんですよね。その点、オーダーシューズであれば在庫を持たない分、店舗規模を小さくできて賃料が安く済みますし、在庫を探す時間を削減することにもなります」(福谷氏)

 トレンド性に加え、非効率な広い売り場も「捨てた」ことが、低価格オーダーシューズを実現させた。

ZOZOスーツがいつまでたっても
届かない理由とは

 客は待ち時間が発生しないよう、事前に予約をした上で来店する。3D計測器で足のサイズを確認後、自分に合った型のサンプルで試し履きをし、気に入れば注文をして自宅に配送されるのを待つ仕組みだ。なお、計測データは保存されるため、2回目以降は計測不要でアプリを使って購入できる。

 店員には、手元のタブレット端末で商品の検索や会計ができるようにするなど、効率化は徹底されている。とはいえ、オペレーションを確立させるまでは失敗も多かったという。

「ベンチマークとなる店が他にない中、試行錯誤の連続でした。メディアに取り上げられたことをきっかけにお客様が増えたときには、試着時や会計時などに度々お待たせしてしまったり、当初はできあがった商品は店頭でお渡ししていたので、引き取り待ちの商品がバックルームに入りきらないほど積み上がってしまったり。そうした問題を一つひとつ解決し、効率化を図っていきました」(福谷氏)