米国の一流大学はここ数年、所得が少ない学生の受け入れを拡大している。しかし、こうした学生はそれ以外の学生よりも卒業させるのが難しい。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が教育省のデータを分析したところ、入学から6年以内の大学卒業率はペル奨学金(連邦政府による低所得家庭向けの給付型奨学金)を受給している学生と受給していない学生とでは平均で8.9ポイントの差があった。分析はペル奨学生とペル奨学金を受けていない学生が少なくとも50人ずついる公立、私立、非営利の大学に2011年に入学した学生のデータに基づいて行われた。2011年に入学した学生の3分の2以上が6年以内に卒業した大学でも、卒業率はペル奨学金の受給の有無で6.4ポイントの差があった。これらの大学のペル奨学生の卒業率は他の大学より高かったが、それでも同じ大学の他の学生より大幅に低いケースが多かった。ベイラー大学、アメリカ・カトリック大学、ピッツバーグ大学などではペル奨学生の卒業率はペル奨学金を受給していない学生より10ポイント以上低かった。