毎年3月20日に「世界幸福度報告(World Happiness Report)」による「世界幸福度ランキング」が発表される。2024年の同ランキングでは、日本は143カ国中51位となり、前年の47位から順位を下げた。低成長時代における生活の豊かさが感じられないことが要因の一つとされている。

 では、日本国内における都道府県別の幸福度はどうだろうか。ブランド総合研究所は、都道府県ごとに住民の幸福度や生活満足度、愛着度、定住意欲度などを数値化する調査『第6回幸福度調査2024』を実施した。

 今回は、各都道府県の住民へのアンケートでわかった「都道府県『幸福度』ランキング2024」を紹介する。

(※)調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートは2024年6月27日から7月8日にかけてインターネットで調査を実施。各都道府県の住民それぞれ約550人ずつ回収し、調査時点で移転などの理由によりその地域に居住していない人を除く計2万4970人の有効回答を得た。なお同調査は、2019年の開始から前年までは、『地域版SDGs調査』または『地域の持続性調査』との名称で実施していた。

全国的に幸福度が低下
コロナ禍が収束しているのになぜ?

「あなたは幸せですか」という問いに対し、「とても幸せ」と回答した人は47都道府県平均では25.0%、「少し幸せ」が同36.5%と6割以上が肯定的な回答を選んでいる。これは前年の調査結果である64.3%よりも2.8ポイント減少した。

 一方、「あまり幸せではない」は11.3%、「全く幸せではない」は5.8%と否定的な回答は17.1%で、前年の14.2%から増加している。

 幸福度はコロナ禍が本格化した2020年から2022年にかけて上昇した地域が多く、47都道府県平均では2020年が66.1点、21年が69.2点、22年が70.1点と上昇している。しかし、コロナ禍の影響が軽減し、行動制限がほぼ解除された2022年以降は低下する都道府県が多く、47都道府県平均も2023年は68.3点、今年は65.9点と2年連続で低下している。

 コロナ禍では、健康面での不安や行動制限による生活の負荷が増加したが、意外にも幸福度は上昇した。しかし、コロナの影響が薄れた後には幸福度が逆に低下するという、ある意味予想外の現象が見られる。

 田中章雄・ブランド総合研究所社長は、「前年までは、コロナ禍の制約で家族と過ごす時間が多かったことが、幸福度の上昇につながっていたと推測できる」と指摘。

 このような背景の中で、各都道府県の幸福度にどのような変化があったのだろうか。

(※)幸福度は「あなたは幸せですか」という設問に対し、「とても幸せ」「少し幸せ」「どちらでもない」「あまり幸せではない」「全く幸せではない」の5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、50点、25点、0点として加重平均した。47都道府県の平均は65.9点。

沖縄県が4年連続1位
福井県が19位から5位に急上昇

 幸福度が最も高いのは、4年連続で沖縄県(72.2点)が1位となった。2位が大分県(70.8点)、3位に宮崎県(69.9点)と続く。