ところが中国政府は一昨年、“外資合弁は2社まで”という規制を撤回し、NEV生産会社を立ち上げる場合は「3社目を認める」と発表した。これに素早く反応したのはVW(フォルクスワーゲン)であり、いままでは協力関係のなかった中国・江淮汽車との間でNEV生産のための合弁会社を設立する調印を2018年7月に行った。

 また、中国政府は“外資の出資比率は50%まで”という規制を、NEV生産のための合弁会社について緩和した。さらに、すべての乗用車メーカーの合弁について22年に出資規制を撤廃することを発表した。この規制緩和にはBMWがすぐさま反応し、華晨汽車との合弁会社である華晨宝馬汽車(宝馬と書いてBMWと読ませる)について、BMWは出資比率を現在の50%から75%まで引き上げることで中国政府の認可を得た。

 もうひとつ、中国政府は昨年2月、NEVに搭載するバッテリーについての新しい法律を制定した。最大の改正点は、バッテリー製造会社の企業リスト、いわゆるホワイトリストと呼ばれる企業名簿の管理が、中華人民共和国国務院傘下の工業和信息化部(工信部)から中国汽車工業協会(中汽協)へ移譲されたことだ。これは政府管理から業界団体管理への方針転換を意味する。

政府が認可したホワイトリスト
中国の有力企業が外れる事態に

 中国政府は、政府が認可しホワイトリストに掲載したメーカー製のバッテリーを搭載していないNEVには“補助金を支給しない”方針だった。中国では、NEV補助金はクルマの購入者ではなく製造メーカーに給付され、受け取ったNEVメーカーが補助金の分だけ出荷価格を安くするという制度である。そのためバッテリーのホワイトリストは、NEVメーカーが補助金を受け取るためのものであり、重要な意味を持っていた。しかも、リストに掲載されていたのはすべて中国企業だった。