中国新エネルギー車政策、「紆余曲折に二転三転」の迷走事情Photo by Yasuhisa Tajima

「外資合弁は2社まで」という規制を撤回
「3社目を認める」

 中国のNEV(新エネルギー車)規制は、今年から“罰則つき”になった。前年のエンジン車販売台数に応じて中国政府が各自動車メーカーおよび自動車輸入元に目標クレジットを与え、これが消化できない場合は罰則の対象になる。中国で乗用車を生産している各国の自動車メーカーが、この規制への対応を迫られている。しかし、規制発表から現在までの足どりをたどると、そこには中国の焦りが潜んでいる状況がわかる。

 NEVを普及させるため、中国政府は規制緩和を行ってきた。その中の目玉は、外資自動車メーカーに中国国内での3社目の合弁を認めたことと、出資比率は50%までという制限の撤廃を決めたことだ。

 これまで中国政府は、海外の自動車メーカーが中国国内に車両生産工場を独力で建設する動きを認めていなかった。必ず中国の自動車メーカーと提携した合弁事業というかたちでしか工場進出を許可しなかった。そして、外資が設立できる合弁会社は“2社まで”と定められ、外資の出資比率は“最大でも50%”に制限されていた。