VW・eゴルフ
VW・eゴルフ VWはI.D.というブランドを立ち上げて電動車両の開発を積極的に進めていく方針を明らかにしている Photo:VW

世界中が電気自動車へ向かうムード
果たして本当にそうなのか

 欧州と中国が、ガソリン車とディーゼル車を禁止へ。米国でもZEV(ゼロ・エミッション・ビークル=無排出ガス車)規制を導入する州が増える──最近はこのような報道が目立つ。これらの記事には、世界中がEV(電気自動車)へ向かっているというムードが感じられる。EV開発で出遅れた日本の自動車産業は窮地に立たされるとの観測もある。しかし、本当にそうなのだろうか。世界各国の規制を整理してみよう。

 口火になった一件は昨秋、フランスのマクロン大統領による「2040年までにガソリン車とディーゼル車の新たな販売を禁止する」という発言だ。マクロン発言の直後にイギリスの環境食料省大臣が賛同し、話題を集めた。続いてノルウェーは「25年以降にガソリン車およびディーゼル車の新たな販売を禁止する方針で主要政党が合意」、オランダは「25年までに内燃機関を動力とするクルマの新たな販売を禁止する件を下院議会が賛成多数で同意」と、それぞれ発表した。

 注意が必要な点は、これらの発言と発表には現時点で法的な拘束力がなく、法規制の段階に進んでいない。また、各国がいう“ガソリン車とディーゼル車”“内燃機関”がどこまでの範囲なのかは、あいまいだ。たとえばHEV(ハイブリッド車)の扱いはどうなのかといった点は、明確になっていない。