米国民の生活の最も重大な変化はしばしば、ありふれた風景の中で起きる。しかし、スローモーションのように進むので、完了するまで全体像が把握されない。米国の二つの主要政党で今まさに、こうした変化が起きている。共和党と民主党はいずれも、党の真の姿は何か、どのような立場を掲げるべきかといった拠って立つ基本を問い直す、大きな再編のただ中にある。実際には、こうした再編の最終局面にあるのかもしれない。こうした再編は、2016年、2018年の選挙でも見られた。しかし、現在のワシントンでの政策論議に見られるように、両党はそれぞれの党の新たな現実に追い付いていない。実際両党は、ある種のアイデンティティー・クライシス(自己同一性の危機)に直面しており、このため両党が推し進める政策的対応は、両党の一般党員・支持者らの間で生じている変化にうまく適合していない。