5代目となるトヨタのスポーツカー「スープラ」が1月14日のデトロイトモーターショーで発表された。2002年以来、17年ぶりの新型発表だ。数年前から復活がうわさされていた車種だけに、前評判も高く、デトロイトのワールドプレミアは豊田章男社長のプレゼンと相まって多くの自動車メディアがトップで伝えた。直列6気筒、3リッターターボエンジン。最大出力340ps。最大トルク51kgm。車重は1520kgとプリウスより60kg程度重い。なにより往年のセリカ、セリカXXファンにとっては、その流れを汲むスープラの復活はうれしい知らせだろう。まさにスポーツカーと呼ぶにふさわしいスペックだ。(ITジャーナリスト・ライター 中尾真二)
使い古された「若者のクルマ離れ」と
スポーツカーの置かれる状況
自動車を取り巻く環境・市場の変化が叫ばれる中、スポーツカーのような趣味性の高いクルマは肩身の狭い思いを強いられているように見える。
そもそも「スポーツカー」には確たる定義があるわけではないが、一般的には移動や効率、快適性よりも、速度や走行性能を重視したクルマ、あるいはそういったイメージを前面に押し出したクルマと分類できる。移動の道具としての効率よりも「マンパワーアンプリファイア(人力増幅器)」の機能を優先させたものと言い換えることもできる。