レビュー
「僕にとってメモは『生きること』である」――本書『メモの魔力 The Magic of Memos』を開くと、この一文が目に飛び込んできた。著者であるSHOWROOM代表、前田さんの講演を聞いた際、対談相手が話しているときに始終メモを取っている姿が印象的だったことを思い出す。さらにページをめくると、「メモによって夢は現実になる」「メモで自分を知る」などといった印象的なフレーズが続く。
著者はメモ魔で、映画や演劇を1作品観ると、多いときで100個以上のポイントをメモするという。そんな著者が、メモを取ることの意義や「知的生産」のためのメモの取り方、メモを通して自分の軸を見つける方法などを指南してくれるのが本書だ。本書からは、著者の、メモに対する溢れんばかりの情熱が感じられる。
本書を読むまで、要約者にとってメモは単なる「記憶の置き場所」にすぎなかった。見返すこともなければ、書いたことを何かに転用することもない。本書の表現を借りるなら「記録のためのメモ」しか体験したことがなかった。だが抽象と転用を身につけ、「知的生産のためのメモ」を活用すれば、自分をより深く知り、夢を叶えるための一歩を踏み出すことができると確信できた。