いかにスタッフのやる気を引き出すか
数字にとらわれない経営

 INGSのラーメン店では、月に数回限定メニューが登場する。これはスタッフが独自に作るスープでラーメンを作っているのだが、普段は使えない珍しい食材が使われたスープは、ファンの間ではひそかな人気となっている。

「僕もスタッフもラーメンオタクなので、常に新しいラーメンを作りたいと思っています。限定ラーメンはスタッフのモチベーションにもなるし、新しいラーメンの発見にもなるんです。限定ラーメンで評判が良かったものは新店舗のメインメニューになることもあります。毎月、新商品が開発されている感じですね」

 一店舗ずつ屋号やコンセプトを変え、本格志向の味を提供しているのは、このような経緯があったためだ。ラーメン好きなスタッフのモチベーション維持のために始めたことも、結果的に他店をしのぐ独自の武器となっている。

「ひとつの味で展開したほうがオペレーションは楽なんでしょうけど、それでは作っているスタッフもお客さんも飽きますから。新しい味を手間ひまかけて作って勝負していくのがウチのラーメンの強さだと思っています」

 飛ぶ鳥を落とす勢いの青柳氏だが、最後に今後の展望を聞いた。

「ラーメン店は1都3県を中心に展開していきたいと思っています。しかし、数字だけではなく、やはりスタッフとお客さんの幸せが最優先。スタッフに無理させてまで店舗は増やしたくないですし、味の質が落ちたらお客さんにも失礼ですから。そういう根本的な考えは変えずにやってきて、いまは結果がついてきている。3~4年後に株式上場できるくらいには、徐々に発展させたいですね」

 青柳氏は現在34歳。立ち上げのメンバーもほとんど変わらず、現場のスタッフも若手が中心だ。「数字だけではない」というイマドキの価値観を持っていながら、十分結果を出し続けるINGS。若手ぞろいのこの会社に、学ぶべきことは多いのではないだろうか。