米朝首脳会議のトランプ大統領Photo:Reuters

――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJチーフコメンテーター

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 米国民は27日、ドナルド・トランプ大統領のイメージについて選択肢を提示された。北朝鮮との交渉を進めるノーベル平和賞候補者として見るか、元顧問弁護士マイケル・コーエン氏の証言で描き出された姿によって犯罪者や詐欺師として見るかだ。

 そうした衝撃的で頭がくらくらするようなテレビ映像は、トランプ大統領の任期中で最も記憶に残る類いの1日として間違いなく歴史に刻まれるだろう。この政権が持つ希望と危険、そして特異性をカプセルに詰め込んだような日があったとすれば、27日はまさにそんな日だった。

 その日が幕を閉じた時、ドラマと舞台の演出を除けば、実際に状況が大きく変化したかどうかはさほどはっきりしなかった。北朝鮮に関しては、具体的な動きはまだ何も起きていない。一方、法律関係者の間では、コーエン氏が大統領の弱みについて新たに重要な切り口を提供したのか、それとも単に既に広く知られている物語に色鮮やかな細部を付け加えただけなのかについて論争の口火が切られた。

 さらに言えば、トランプ氏に関する見方はあまりにも分断され、あまりにも固定化されているため、このような重大な日でさえも、米国民への影響という点では、第45代大統領に対する固定観念をより深く刻み込むだけにとどまるかもしれない。あるいは、分断された相手側に対し、より激しく怒りをぶちまけるようにするだけかもしれない。