中国の習近平国家主席は、中国共産党に対して絶対的な忠誠を要求することで権力基盤を固めようとしている。国内経済の減速が長引く中、党内にうっ積した反発を抑え込むことが狙いだ。習氏はこの数週間に、共産党員に対して通告を行った。全土から幹部を集め、世界2位の中国経済に関して「大きなリスク」があると警告。問題解決に向けて責任を負うよう求めた。習政権は新たに「団結と協調」を求める一連の党指令も出した。国営メディアは先週、党指導部が習氏の点検を受けるため自己評価を提出したと報じた。これは、習氏を最高権力者として位置付けることを目指して最近復活した「儀式」だ。習氏が引き続き権限を保っていることに議論の余地はないが、共産党の動向を追跡している筋によると、最近の同氏の動きからみて政府・政権幹部内に不満がくすぶっている可能性がある。批判派は、習主席の政策が低迷する経済のてこ入れに失敗し、米国との間の緊張を不必要に高め、他の多くの外国政府とも関係を悪化させたと指摘する。同時に、習氏の統制へのこだわりと、同氏の路線を逸脱する幹部への懲罰の脅しが、経済政策の混迷と行政府内の混乱を招いているという。