ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が中距離核戦力(INF)全廃条約の履行停止を正式に命じた。大統領府が4日、明らかにした。米ロの軍拡競争が再燃する恐れが強まっている。ロシア政府は履行停止について、米国の条約違反を受けた決定だとしている。米政府はロシアが核弾頭搭載可能な巡航ミサイル「9M729」の実験で条約に違反したと非難していたが、ロシア大統領府の声明はこれには反応していない。ロシアがミサイルシステムを廃棄しなければ6カ月以内にINF全廃条約を破棄すると米政府が発表したことを受け、ロシアは先月、INF全廃条約の履行を停止する見通しを明らかにした。ロシア国防省は長距離極超音速ロケットなどの新たなミサイルシステムを開発中だと述べた。