米中貿易摩擦の大きな火種となっていた「中国製造2025」が正式に表舞台から消えた。だが、姿を消したのは名称だけのようだ。李克強(リー・クォーチャン)首相が5日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で100分近くにわたって行った政府活動報告では、中国製造2025への言及が全くなかった。ハイテク産業育成策である中国製造2025は、李首相が過去3年に行った政府活動報告では中核を占めていた。李首相は一方で、政府は先端製造業を推進すると表明。育成対象の新興産業として、次世代の情報技術(IT)や高性能機器、生体臨床医学、新エネルギー車などを挙げた。ただ、これらは中国製造2025でも重点産業として盛り込まれていおり、中国製品を優先購入する「バイ・チャイナ」と似た目標も掲げている。
「中国製造2025」の退場、消えたのは名ばかりか
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