(4)「よい物件」が出てきても、「すぐに決めずにしばらく考えなさい」という意見

 物件や相手が待っていてくれるのであれば、物件は時間をかけてゆっくり考えてから決めたほうがよいでしょう。しかし、何年もかけてようやく巡り合った「よいと思える物件」をなかなか申し込まずに悩んでいたら、他の人にとられてしまったということは、よくあることです。決して焦ってはいけませんが、遅くてもいけないのです。

「冷静になって考えること」はもちろん大切です。しかしなかなか出ない人気物件に対して「何日も考える」は微妙で、決断が遅ければ他の人にとられてしまいます。一度でも物件をとられてしまうと、その次は焦ってしまって、「他の人にとられたくない」という気持ちだけが強くなり、結果的に間違った物件を買ってしまうことが多々あります。

 また、「物件は、その物件がなくなっても必ず他に出てくる。だから焦ってはいけない」という意見もあります。

 しかし現実には、「資産価値が下がりにくい人気エリアで、適正価格以下で購入できる物件」はそうそう出てきません。

 物件探しに何年もかけている人はたくさんいます。

 そうこうしているうちに金利が上がってしまったり、勤務先が変わり年収がダウンしてしまったり、健康上の問題が出てしまい、通常の団体信用生命保険の審査に通らなくなった人たちも少なくありません。

「ゆっくり考えなさい、その物件がなくなっても必ず他に出てくる」という言葉を安易に信じてはいけません。