正直に言います。あなたがもしそうした状況のサラリーマンであれば、「適当に仕事をする」のです。適当とはいい加減ということではありません。やるべきことをちゃんとやる。しかし、それ以上でもなければそれ以下でもないということです。今の仕事に全身全霊をかけても意味はない。役職定年で仕事が楽になるのであれば、それでいいじゃないですか。ガツガツせずに、余った時間で人に会う。

 そして面白いことが見つかったら、パラレルキャリアの道を歩み始めるのがいい。そのために、良質な人に会うことです。

 そうアドバイスを送りたいと思います。

 そうは言うものの、会いたいと思った良質な人があなたに実際に会ってくれるかどうかは、あなた次第です。最初は人づてや誰かについていく形もいいかもしれません。ところがそのうちに、あなた自身が会う価値のある人間になる必要があることはいうまでもありません。

 すなわち、その分野での勉強や持論の形成は絶対に必要だということです。だから、“真剣に楽しむ”ことが求められるのです。先に挙げた2人も、実によく勉強しています。2代目社長は文系出身ですが、新たな分野の知識は相当なものです。もう1人の文化サロンを任されている人はもとからあった趣味の知識がさらに研ぎ澄まされ、神がかってきました。魅力磨きはくれぐれも怠らないでください。

 そして、いい人に会う機会があったら躊躇せずに飛び込んでください。

 ただし、間違っても異業種交流会の類には行ってはいけません(「異業種交流会に通う人に、決して人脈などできない」参照)。なぜならば、そこは同病相哀れむ場所だからです。さらに情報弱者を食い物にしようとする人も群れてきます。これを俗に「ひよこ狩り」と言います。

 あくまでも興味の赴くままに、“真剣に楽しんで”見てください。目先の損得や小さな可能性に惑わされず、妥協せずに楽しんでください。

(明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授 野田 稔)