各国の中央銀行は世界経済が想定外の後退局面に陥ることを防ぐため、金融政策を大きく転換している。金融市場で昨年感じられた経済の減速や負荷を受け、中銀は予想より早期に利上げを停止し、場合によっては金融政策を緩和している。多くの場合、中銀は経済の緩衝材となる政策手段をほとんど持たず、身動きが取れない状況だ。だがエコノミストによると、全体として中銀は市場リスクを減らし、2019年も拡大局面――米国と中国では約10年以上続いている一方、欧州と日本では脆弱(ぜいじゃく)かつ短命――を維持するはずの方法で金融環境の緩和に貢献してきた。先頭を切ったのは米連邦準備制度理事会(FRB)だった。FRB当局者らは半年前には、政策金利を2020年に3.5%近くにするため、19年に3回利上げすることを想定していた。最近は当面のしており、短期金利は2.5%弱にとどまっている。彼らの言動は、利上げを差し当たり完全に打ち切った可能性を強く示唆している。