二つ目は、世界最大の自動車市場である中国の取りこぼしだ。

 中国に工場を持たないスバルは従来不利な戦いを強いられてきたが、中国政府が電気自動車(EV)に急ハンドルを切ったことで、EVで出遅れるスバルの劣勢が決定的になってしまった。

環境規制と米国一本足打法
積年の課題解消が鍵

 EV化や環境規制で先頭を走る欧州・中国市場をあえて攻めないにしても、環境技術の開発から逃げるわけにはいかない。トヨタ自動車との提携の深化も含め、対策を打ち出す必要があるだろう。

 環境規制のハードルが低く売りやすいというだけで、豪州やロシア市場を攻略できるはずもない。結局、スバルの米国一極集中は変わらない。

 スバルは新規投入したSUV「アセント」や新型「フォレスター」で19年に米国販売台数の記録を11年連続で更新する考えだ。しかし、米国市場の競争は熾烈を極める。その上、利上げや保護主義の台頭などリスクには事欠かない。

 スバルに唯一のよりどころがあるとすれば、業績好調時に養った健全な財務基盤だろう。直近の自己資本比率は54.8%、有利子負債が返済義務のない自己資本(株主資本)の何倍かを示すD/Eレシオは0.03まで下がっている。

 強固な財務基盤故の自信なのか。スバル幹部は泥くさく試行錯誤を続ければ、この難局も乗り切れるとみているようだ。吉永泰之会長は「格好よくブレークスルーするのは難しい。マドルスルー(失敗やへまをしながらも何とか切り抜ける)をやっていく」と言う。

 品質問題の解消に加え、環境規制対応、米国依存からの脱却という積年の課題を抱えたスバルの難局打開はそう容易なことではない。