スバルは、毎年何かしら手を加え商品の魅力をアップさせる「年次改良」を頻繁に行うメーカーとして、クルマ好きには知られている。むろん、スバルの世界戦略車であり、屋台骨を支えているフォレスターも例外ではなく、フォレスターの歴史を調べると、実はスバルの革新技術がいち早く投入されている率が高いのが分かる。(取材・写真・文/ライター・フォトグラファー 雪岡直樹)
フォレスターは
スバルの屋台骨を支えている
スバルは昨年、完成検査の問題などさまざまな不祥事を引き起こしてしまい、生産や販売などで苦戦する部分も見られた。それでも年間生産台数はおおよそ100万台弱の規模で推移している。フォレスターやXVのSUVが好調で全体の数字を引き上げており、中でもフォレスターはスバルの屋台骨を支えている車種と言っても過言ではない。
2018年6月に現行型でもある新型フォレスターを発表し、1ヵ月遅れて2.5Lエンジン、約3ヵ月遅れて9月に2.0Lエンジンとモーターアシストが加わる「e-BOXER」を搭載する「Advance」グレードを発売した。
このAdvanceグレードはフォレスターの中でも上位グレードとして位置付けられており、先進の「ドライバーモニタリングシステム」を搭載している。実際の販売台数でもAdvanceグレードの販売が4割近くを占めており、これはエンジン排気量が2.0Lという税制面と、モーターアシストというハイブリッドへの関心の高さからくるのではないかと推察できる。
このドライバーモニタリングシステムとは、運転中にカメラでドライバーをモニタリングし、居眠りや脇見などが起きた際に、警告表示と警報音でドライバーに注意喚起を行うシステムだ。センターコンソール上部に設置されるマルチファンクションディスプレイのバイザー部分に専用カメラを設置し、ドライバーを5人まで登録することが可能である。