人の体はいつ眠りにつき、いつ目覚めるべきかを知っている。人の脳は頭の中のストップウォッチのように短い時間であっても経過を追うことができる。しかし人間の記憶の中では時間の感覚はあいまいだ。ここにきて、人がどのように記憶の順番づけをしているのかが研究によって明らかになり始めている。科学者によると、脳の働きに関して研究で明らかになった新たな事実を他の発見と組み合わせれば、アルツハイマー病など認知症を含む病気の理解や早期発見に役立つ可能性があるという。コロンビア大学のリラ・ダバチ心理学教授によると、人は記憶の中で時間を主観的に認識しているという説は心理学ではよく知られているという。忙しいとき、人は一日があっという間に過ぎるように感じることがあるが、あとから細かいことをいろいろと思い出すことで記憶は膨らむ。