大事な「金の卵」
再来週には、オフィスに新人がやって来る。かつて、高度成長の時代に、新たに就職する人材に対して「金の卵」という呼び方があったように記憶している。当時は経済成長が理由で人手不足だったので、新たな労働力は貴重であった。
あれから半世紀以上経過した今日、新卒者は再び「金の卵」的な存在になった。今度は、経済成長よりも少子化に伴う人口減少の影響が大きいが、採用に苦労した新入社員が大事な「卵」であることに変わりはない。
加えて、現代の新入社員は、(1)概して傷付きやすくデリケートで、(2)職場が嫌だと思うと転職の機会が多く、(3)「ワーク・ライフ・バランス」的な意識が強く、そして(4)上司や先輩が押し付ける無理や無礼に対して、「ハラスメント」という概念を武器として持っている。
いったん入社させてしまうと、会社を頼らざるを得ない立場になって“無理気味”のトレーニングが可能だったかつての新入社員に比べて、扱い方は格段に難しい。
さて、読者が仮にこの貴重な「金の卵」の先輩、あるいは上司的な立場に立つ場合、何を目標にしてどのように接したらいいのだろうか。