まずは「無遅刻」から

 新人をオフィスに迎えるに当たって肝心なのは、過大な期待を抱かないことだ。当たり前だが、新入社員には大きな個人差がある。そして、新人が職場に適応すべきだと考えるのではなく、新人の個性に合わせて、彼(彼女)が無事に職場に定着できるように導くことを優先すべきだ。

 採用には大きなコストが掛かっており、仮に新人が職場に定着できなかった場合、新たな人材の採用にもコストとリスクがある。

 仮に、読者が新人のお世話係(インストラクターなどと呼ばれることが多い)を仰せつかった場合、はじめの1年間で以下の3つを新人に達成してもらうことを目標としよう。

 あまりに当たり前で拍子抜けするかもしれないが、「無遅刻」「無借金」「適切な挨拶」の3つだ。まずは、指導対象の新人がこれらを達成して、1年間職場にいてくれたら指導は「成功」だったと、最低限の目標を設定する。このくらいが無難な出発点だ。

 大学生から、会社員になると生活のペースがすっかり変わる。新人がこの生活ペースに無事適応できるように、導く必要がある。

 また、出勤時刻だけでなく「時間を守る」ことは、社内・社外を問わず他人と仕事を含む共同作業をする上で絶対に必要な条件だ。最終的に、ビジネスの世界では、「遅れる」という行為に対して「適切な言い訳など存在しない」と理解するところまで仕込まなければならない。

 もちろん、いきなり厳しいルールに適応できるかどうかは、個人差がある。まずは、始業時刻に遅れずに出勤したら褒めてやるくらいのところから始めて、様子を見るといい。また、朝の出勤時刻には生活管理の状態が表れる。お世話係としては、この観点からも遅刻は1秒でも警戒すべきサインだ。