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「慢性痛」の名医として知られる横浜市立大学付属市民総合医療センター・ペインクリニックの北原雅樹教授は、日本の腰痛治療は誤診があまりにも多く、「安易に手術を勧めるケースが多い」と嘆く。実際の医療現場で北原医師が体験し、理解に苦しむ誤診の実態を解説してもらった。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

骨粗しょう症に気づかず
怪しい診断、手術を勧める

「日本の腰痛治療は間違いだらけ」と嘆くのは、慢性痛の名医として知られる横浜市立大学付属市民総合医療センター・ペインクリニックの北原雅樹教授だ。もっか北原教授のもとには、主治医の紹介状を手に日本全国から患者が殺到し、不本意ながら「(紹介状のない)初診患者さんお断り」にせざるをえない状況になっている。

『日本の腰痛 誤診確率80%』(集英社インターナショナル)、北原雅樹著、192ページ

 つまり、患者のみならず医師からも大いに「頼りにされている」わけだが、「この状態で、なぜあの病気を疑わないのか」あるいは「この患者さんにどうして手術を勧めるのか」など、理解に苦しむ診療をしている症例がものすごく多いらしい。

 そんな日々の体験から、昨年11月には『日本の腰痛 誤診確率80%』(集英社インターナショナル)なる著書まで上梓してしまった北原教授に聞いた、患者と家族が知っておくべき腰痛の真実をシリーズでご紹介する。

 第1回は、本当に患者数が多い、高齢者の“何をやっても治らない”慢性腰痛についてだ。

 まずは3つの症例を読んでほしい。