狭い視野を広げてくれた
日本電産・永守会長の言葉

 これが大きな転換点となる。美味しいカレーは店舗だけでなく、レトルトカレーでも提供できる。社員食堂などのBtoBもビジネスの対象になる。こうして戦う領域が広がり、かつ明確になった。

 経営塾では思いがけないアドバイスをもらったこともある。日本電産の永守重信会長と話したときだ。「あんた、カレー屋でいま何番目や」「2番です」「じゃあ1番になるために(会社を)買いなはれ」。

 そんな戦術があったのか――。宮森の視界がすっと開けた。

 17年、宮森は後継者不在で廃業の危機にあった地元石川のインド料理の名店「ホットハウス」の事業を承継した。自分が好きだったホットハウスの美味しいカレーを、何としても守って未来につなげたかった。ホットハウスのブランドをそのまま承継し、昨年12月には横浜に新店舗をオープンさせた。

 18年にはビズリーチが運営する事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」で、事業を譲りたいカレーの名店の公募も始めている。

 宮森が目指しているのは、世界一のカレーの専門商社。店舗だけではなく、レトルトなどの加工食品やスパイスなど、カレーに関連するアイテムが何でもそろうグループのことだ。

 世界一を目指す上で重要なのが、市場規模の大きい欧米での展開だ。特にまだ進出していない欧州市場の攻略が鍵となる。

「昨年パリで開かれたジャパンエキスポではすごい反響があった」と手応えを感じている。

「まずは20年の東京五輪・パラリンピックで日本のカレーを世界の人に知らしめてから」と、慌てずじっくりと世界を目指す。(敬称略)

(「週刊ダイヤモンド」編集部 前田 剛)

【開発メモ】ロースカツカレー
 ステンレスの皿に盛られた濃厚でどろっとしたルー、その上に載せられたソースのかかったカツ、付け合わせのキャベツ。これをフォークで食べるのが金沢カレーの流儀。ゴーゴーカレーは、その伝統を守りつつ、55の工程を経て5時間かけてじっくり煮込み、それを熟成させた特製オリジナル・ルーのうま味が特徴で、クセになる人が続出。

ロースカツカレー