米アップルが携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」を発売し、音楽管理ソフト「iTunes(アイチューンズ)」と連携できるようにした際、当時のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)はiTunesを競合他社の端末で利用させることを許さなかった。最新の製品が自社のハードウエア事業に利益をもたらすようにしたかったからだ。それから約20年。アップルは新サービスの訴求範囲と売り上げを最大化することを目指し、そうした方針を変更しつつある。これはユーザー基盤の拡大に向けた一歩だ。現在の基盤は大きいもののアップル端末の利用者に限られているため、娯楽などの分野で大きくリードする企業と実質的に争うことで顧客を開拓する構えだ。