保険の「無料」相談所に
行くべきではない理由

「職場の近くに、保険の無料相談所があります。無料だし、話を聞くだけなら、行っても問題ないですよね?」(29歳・販売業)

 街のいたるところで見かける保険の無料相談所。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ担当者などが、カウンセリングを行い、その人に合った保険商品を複数の保険会社の商品からセレクトしてくれる、というものだが、後田氏は「そもそも、無料相談所に行こうと思っていること自体が間違いです」と指摘する。

「人が無料相談所に足を運ぶのは、『無料』という言葉にそれだけ大きな魅力があるからです。行動経済学ではこれを『ゼロコストのコスト』といいます。無料という言葉は、感情と行動の引き金です。相談が1回1万円なら引き金にはなりにくいのではないか?と想像してみるとわかりやすいかもしれません」

 人は、利得より損失に大きく反応しますから、有料だと「相談料に見合う満足が得られない場合、損をすることになる」と慎重になります。ところが、無料だと失うものがないせいか、気軽に出かけてしまうのです。
 
「相談が無料なのは、販売側が商談の機会を増やすためです。手数料が高い、すなわち、加入者の持ち出しが大きい商品を薦められることにならないようにするには、相談料を払って有識者の助言を求めたほうがよいでしょう。保険の相談相手の収入源にこだわることで、結果的に、余計な出費を抑えられると思います」

 無料というのは、どんな商品やサービスでも大きなインパクトを持つ。しかし、どんな場合であっても結局、タダより高いものはないのだ。