経営×経理

 まずは、再考していただきたいポイントを3点に絞り込んでお伝えします。もしも、自社で不足しているところがあれば、取り入れてみてはいかがでしょうか。

【再考ポイント1】
コスト発生の“入り口”
にメスを入れる

 至極当然なのですが、P/L(損益計算書)やC/R(製造原価報告書)に表記されている数値は“実績”とも呼ばれ、すでに発生しているものです。では、これらのコストが発生するまで、自社ではどのようなフローで承認がなされているのか、即答できるでしょうか。多くの企業では、ある程度のルール付けがなされているでしょうが、再考してみることでメスの入れどころが見つかるかもしれません。

 たとえば、少額な備品であれば特に承認を経なくても誰でもネットで注文できるという慣習を持つ職場は、まだ多そうです。あるいは、原価にあたる材料・部品の発注を現場担当者のみに任せているケースもあるでしょう。こうした傾向があるならば、管理者が定数設定したり、現場に出向いて在庫状況をチェックしたりといった基本体制の構築を、早急に進めるべきでしょう。

 またよくありがちなのは、たとえ承認システムが存在していても形骸化しており、しかるべき管理者がきちんとチェックしていない、あるいは、現状を一番把握しているはずの物品在庫管理者の目を通すことなく、上長が事務的に承認できてしまう、といったケースです。申請されるコスト内容が妥当なのか否かを判断できる適任者を再考し、無駄なコストを生じさせない仕組みをつくることは、あらゆる規模・業種の企業にとって最低限必要な取組みでしょう。

 昨今では、申請の方法も紙ベースの書類ではなく、専用システムによって自動化されている企業も多いようですが、そもそもの社内機能が不全であれば、最新の自動化システムを導入しても意味を成しません。経理部隊は、いま一度、コスト発生の“入口”に注視し、コストがダダ漏れしそうな問題点があればすくい上げ、徹底的な改善行動を執る必要があるでしょう。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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