費用&時間効果をシビアに見据えて
税理士事務所との付き合い方を見直す
本稿をお読みの方々が活躍されている企業のほとんどは、税理士事務所と顧問契約を結んでいて、経理部員であれば何かしらの関わりを持っているはずです。
さて、今さらですが、現在顧問契約している税理士事務所の税理士や職員の方との関係性はいかがでしょうか。おそらく「まあまあ……」、あるいは、「考えたことなどない……」といった回答が大多数だと推察します。
しかしながら、税理士事務所との関わり方が、定例の記帳訪問の際、応接室内で形式的な面談をして、世間話で終わるような場面が常態化しているなど、生産性が高いとは言えない状況であるのだとしたら、経理部員としてのシビアな視点から、ランニングコストにあたる顧問料に対する効果を追及しなければならないはずです。
今回は、税理士事務所との関係性を再考し、どのように講ずれば自社の経営面にプラスに働くのか、具体策を記述していきます。
税理士事務所の存在目的に
沿った経理部員それぞれの役目
「税理士先生とは、いまや税務調査の際にお世話になることがメイン。あと、ウチの役員らの個人的な税務相談などで、ご足労願うか……。そんなところでしょうか?」と思案しながら税理士事務所との関係性について応えてくれたのは、不動産業界の経理チームマネジャーのAさん(40代男性)です。
筆者はコンサルタント活動を通して、様々な法人の経理の方々と接していますが、現在の税理士事務所との関係性について課題感を持っている人などほとんどおらず、本音をもっと晒せば、「現場がわからない税理士に相談しても……」、あるいは「税理士と社長と接見させても、先生は難しい専門用語ばかりの解説なので敬遠しています……」といった懐疑的な見方が多いことも否めません。