経営×経理

【再考ポイント2】
時系列で数字をチェック
“気づき”は共有できるか

 次に、経理部の実務についてです。予算実績表や前年同月対比表といった資料作成に従事しているのは、主に経理部のスタッフでしょう。彼ら彼女らの中には、それぞれの担当職務に応じて、変動費や原価などの推移を時系列でチェックしている人も多いでしょう。その中で何かしらの“気づき”が生じた場合に、プレゼンテーションできる機会が職場に設けられているか否か、再考してみてください。

 たとえば、収益に対して著しく高い割合の費用が発生しているなど、発信すべき“気づき”にいくら重要性があっても、しかるべき現場の人や管理者に早期段階で届かなければ、改善行動が遅れてしまい、経理部隊の職務の生産性向上など、望むべくもありません。

 こうした状況は、経理スタッフらの人的資産が活かされていないとも言えるので、コスト管理以前の問題です。経理部マネジャーは、経理スタッフ1人ひとりの任務を再考し、コストデータのチェック方法が適切か否かを確認したり、彼ら彼女らの見解をヒアリングする場を設けたりと、善処する必要性があるかどうかを見極めてください。

【再考ポイント3】
社員各人がコスト意識を
持てるシステムづくり

 最後に、コスト管理が経理部サイドによる「お仕着せ」で進められているきらいはないかを、再考してみましょう。冒頭で述べたように、ひと頃と比べれば、乾いた雑巾を絞るかのようなコスト削減をしている職場は少ないでしょう。とはいえ、他部署の社員らに「経理部主導でコスト削減が進められている」という印象を持たれてしまうと、社内に「お仕着せ感」が生まれることは否めません。

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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