「一流のマネジャー」は、そういうところがうまいのだ。メンバーをその気にさせるスイッチを探したり押したり、違うものの見方に気づかせたりすることに長けている。

 すべてをマネジャーが決めて実行すれば、短期的には成果が出せるかもしれない。けれども優秀なマネジャーは、中長期的な視点で、みんなが成長したり、みんながワクワクした状態で仕事をしたり、みんなが自分たちの力で勝手に次のフェーズに進んでいったりという状態を、積極的に求めていく。チームを信じ切る勇気と根気が必要だけれど、その方が結果的には成果も大きくなる可能性は高いはずである。

 そして、自分が抱えている課題や不安などを共有する。これも「信じる」うちに入るだろう。

 たとえば、「これができなかったら、もしかしたらチームがなくなってしまうかもしれない」という状況をメンバーに対して話すかどうかだ。

「チームのモチベーションが下がってしまうから、言わないほうがいいかな」となるのか、「きっと一緒にやっていこうと思ってくれる人たちだから、大変な状況だと言うことを思い切って話そう」となるのか――。これって、メンバーを信じるという意味で、かなり大きな違いがある。

 もちろん理想は、現状を受け入れてみんなで一緒に頑張ろうと思ってもらうこと。ただ、共有するにもそれなりの勇気と覚悟が要るので、マネジャーとしての姿勢が問われるところではある。

メンバーと本気で
向き合う仕組みを導入する

 メンバーの成長を考えるという意味では、任せるだけじゃなく、周りから刺激を受けるということも大事だろう。

「あの人はあそこまでできているけれど、実は私ももうちょっと頑張ればできるんじゃないか」と気づいてもらう仕組みや仕掛けは、組織に多ければ多いほどいいし、優秀なマネジャーほどそのためのアイディアを豊富に持っているように思う。