企業人育成のメソッドを学ぶ場企業人育成のメソッドについて実践を通じて学ぶため、組織革新研究会が年9回開催している「キャンパス」

かつて生産性ナンバーワンだった日本の製造業を中心とする企業が、なぜ世界の後塵を拝するようになってしまったのか。連載『ルポ 闘う職場〜働き方改革では生産性は上がらない』では、日本企業を覆う「仕事力損壊」の実態を浮き彫りにしつつ、そこからの脱却を目指す企業人たちの悪戦苦闘のドラマをリポートしていく。(ライター 根本直樹)

2300社から5万人が参加
企業業績向上に貢献する「キャンパス」

 組織革新研究会(組革研)。一般にはあまり知られていないが、大手企業の間では「企業人育成の救世主」として知られる、独自のメソッドを持つ研究会だ。創設は1971年。メソッドの実践を通じて学ぶ「キャンパス」の会期は5日間、年に9回開かれている。これまでの参加企業は約2300社、参加者は5万人を優に超える。参加者たちはキャンパス受講後、その考え方を持ち帰って実践、多くの企業が業績を向上させている。

 組革研の内容を一言で説明するのは難しいが、参加したメンバーたちがチームごとに分かれ、「S―20」と呼ばれる、一見ウォークラリー風の「仕事モデル」を通して業績を競い合う中で、仕事との真の向き合い方を体感していくというものである。