所得控除という武器を使えば
一定の成果を得ることは可能

 もちろん、サラリーマンでも会社に退職金や企業年金がないという人は多い。そういう人のためには「個人型確定拠出年金(愛称iDeCo)」がある。

 厳密には、会社の制度と違って知らないうちに積み立ててくれるものではなく、自分の意思で手続きをして始めなければならないから、企業の退職給付制度よりハードルが高いことは間違いない。

 それでも最初の一歩さえ踏み出すことができれば、後は自動的に稼いだお金の一部が老後に向けて積み立てられていくことになる。イチロー選手の契約並みの年率5.5%は難しいかもしれないが、「所得控除」という大きな武器を使えば、一定の成果を得ることは可能だろう。

 イチロー選手の引退にまつわる報道をきっかけに、自ら「後払い」の仕組みを作ってしまうというのも悪くないのではないだろうか。

(経済コラムニスト 大江英樹)