中国経済に春が訪れているのだろうか。信ぴょう性のないデータを案内役にするのは頼りない。世界2位の経済大国である中国の3月の製造業購買担当者指数(PMI)は6カ月ぶり高水準に達し、民間業者による同様の指数も力強く回復した。だがいつものことながら、早春は中国経済データがぶれやすい時期だ。年毎に期日がずれる1週間の旧正月(春節)や銀行の新たな融資割当枠の決定など、さまざまな季節要因で1-3月期は景気判断が難しい。中国経済は3月にやや上向いたかもしれないが、PMIが節目の50を上回り、経済活動の拡大を示す水準へ上昇したのは、おそらく実際以上の数字に上振れしたものだろう。2月のPMIは49.2だった。こうした統計のゆがみはすでに、数年ぶり低水準となった2月の貿易・工業統計で明白になっていた。昨年の春節は非常に遅く、2月16日に始まったため、季節要因による活動低下が3月まで持ち越された。今年は春節が早まり、2月の活動が弱く、3月が好調となった。中国国家統計局は問題を是正しようと取り組んではいるが、完全には対処できないだろう。2009年終わり以降、中国製造業PMIの標準偏差は1〜3月に他のどの月よりも26%高くなっている。
春告げる中国指標、慎重ながらも楽観的な判断を
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