銀証連携が奏功し
IPO主幹事件数でトップの可能性

 加えて、SMBC日興の“弱点”であるホールセールも力を付けつつある。

 SMBC日興は売上高に当たる純営業収益をセグメント別に開示していないが、リテールが全体の約7割を占めており、野村の約3割、大和の約4割(各18年3月期)に比べて、リテールの比率が圧倒的に高い。

 その理由はSMBC日興の成り立ちにある。日興コーディアルグループで06年末に表面化した不正会計問題をきっかけに、米シティグループの傘下に入った。そして、リーマンショックで巨額損失を抱えたシティが、09年に三井住友フィナンシャルグループ(FG)へ売却した。

 だが三井住友FGが手にしたのは、リテールの日興コーディアル証券の全事業およびホールセールの日興シティグループ証券の一部事業のみ。大半がシティグループ証券へ引き継がれたことから、SMBC日興はホールセール事業を再構築しなければならなかった。

 それ故、例えば、新規株式上場(IPO)の主幹事件数を見ると、10年3月期と11年3月期はゼロにまで落ち込んでいる(図3)。

 だが、三井住友FGの傘下に入った後、三井住友銀行が法人顧客の中から上場予備軍をSMBC日興に紹介するなどの銀証連携が進んだ。SMBC日興は19年3月期のIPOの主幹事件数で野村、大和を抑えてトップとなる可能性が高まっている(図3)。

 上場企業の主幹事数も年々増加している(図4)。「シティグループの傘下にあった際、主幹事企業をグローバル基準で絞り込んだため、地方や小規模の企業との取引を減らした」(野津和博・SMBC日興常務執行役員)という事情もあり、16年3月末時点での主幹事数はSMBC日興617社、大和722社と105社の開きがあった。だが、18年12月末でその差は57社にまで縮まっている。

 今年3月下旬に清水社長は4年目への続投を決めた。公約通り「圧倒的2位」を達成するには、リテールのみならず、ホールセールでの連携の成果をどこまで挙げられるかに懸かっている。