米下院の司法委員会は3日午前の採決で、2016年大統領選へのロシア介入疑惑とドナルド・トランプ大統領の司法妨害疑惑に関するロバート・モラー特別検察官の捜査報告書の完全版の提出命令を承認した。トランプ政権と下院民主党の攻防が激しさを増している。下院指導部はウィリアム・バー司法長官に対し、今月2日までに報告書の全面開示を求めていたが、バー長官は応じなかった。そのためジェロルド・ナドラー司法委員長(民主、ニューヨーク州)は報告書の提出を求め、今月中旬までに簡略化した報告書を提出するとしたバー長官の計画を退けた。司法委での採決では、党派に沿った形で文書提出命令が可決された。ただナドラー委員長は、直ちに提出命令を出さない可能性もあると表明。バー長官について「彼に考え直す時間を与える」としつつ、「だが何らかの調整がつかない場合は、この資料の提出を命じるほかはない」と話した。