当初のメンバーは看護師の馬渕恵(25歳)、地元製菓会社勤務の江田茜(21歳)、まだ学生だった鈴木夕湖(18歳)と吉田夕梨花(17歳)、そして著者の5名だ。年齢も職業もバラバラ、ゼロからのスタートだった。

「4年に一度」に振り回されないチームをつくりたい。それが著者の願いだった。そのためには、お互いが何でも言い合える、深いコミュニケーションを重ねる必要があった。

 また、地元に愛されるチームでありたいとも考えていた。チーム名に「ローカル」を意味するロコをつけたのもそのためだ。

 2013年のソチ五輪の国内選考にて、ロコ・ソラーレは予選敗退に終わった。「4年に一度に振り回されない」という思いでやってきたが、チーム全員が悔し涙を流す結果になった。常日頃から「楽しいカーリング」と言い続けてきたが、その本当の意味をチーム内で正確に共有してきただろうか。そう考えた著者は、改めてコミュニケーションという課題に向き合い、次の4年に活かすことを決意した。

◆楽しいカーリングを目指して
◇家族がもたらしてくれた目標

 2012年、北見市内に住む一般男性と結婚。2015年には男の子を出産する。

 結婚や育児を通して、著者は多くのことを学んだ。夫は、カーリング漬けで「世間知らず」だった著者に、「もっと世界は広いよ」と社会常識を教えてくれた。思うようにならない赤ん坊を育てることで、相手の立場に立って考えることや、危なっかしい場面でもギリギリまで手を出さないで待つことを学んだ。そういった人生経験が、ロコ・ソラーレのチームビルディングに活かされている。

 夫と息子の存在は、著者にさらなる目標をもたらした。女性カーラーが、結婚や出産後もカーリングの国際舞台に戻ってこられる環境を整えること。五輪後の進路の選択肢を増やすこと。カーリングに様々なオプションをつくっていきたいと思うようになった。