高級ブランドは自社のイメージにこだわるが、ここにきて中国の大衆市場向け電子商取引大手アリババ集団や京東集団(JDドットコム)との提携に力を入れている。だが、彼らが米アマゾン・ドット・コムにも友好的に振る舞うとは考えない方がいい。アマゾンは消費者に強大な影響を与える存在に成長しているが、高級ブランドは概してアマゾンへの出店は避けている。仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの最高財務責任者(CFO)は2016年、「アマゾンの既存事業は高級品には適さない。それに尽きる」と述べている。高級ブランドの多くは、中古品や掃除用洗剤など、あまり華やかではない商品の隣に並べられることを嫌がる。だが、アリババやJDドットコムには心を開きつつある。イタリアのヴァレンティノやボッテガ・ヴェネタ、英バーバリーはいずれも、アリババの「天猫(Tモール)」が開設した高級ブランド向けサイト「ラグジュアリー・パビリオン」に出店しており、参加する高級ブランドの数は増えている。調査会社ガートナーL2によると、調査対象の高級ブランドのうち26%が2018年にTモールに出店しており、この割合は1年前の21%から上昇した。また高級品のネット販売サイトも、中国のハイテク大手と手を組み始めている。ファーフェッチは2月、中国事業をJDドットコムの高級品プラットフォームと統合したほか、ユークス・ネッタポルテの親会社は昨年、アリババと共同事業を設立することで合意した。
高級ブランドはアマゾンが嫌い、中国勢とは仲良しに
有料会員限定
あなたにおすすめ